三尺秋水の斬れ味よ! 真剣の日本刀による試し斬り 2016.11.19
剣の師を数年ぶりに訪ねる
最近はすっかりやっていないのだけど、以前古武道を習っていました。
今日はその先生であり友人を訪ねましたよ。
稽古会に出向くのは本当に久しぶりです。
以前、稽古は、古流の剣術、居合い、柔術さらには長刀、杖術、手裏剣にいたるまでやっていました。
わたくしが稽古会に行かなくなった頃から真剣で稽古したり据え物斬りも始めたようで、今日は久しぶりの古武道のお稽古はいきなり真剣での試し斬りでした。
日本刀の真剣による試し斬りー牛乳パック斬り
最初はなんと、乾燥した牛乳パックを斬ります。
まずは、軽い紙のバックを段ボール箱の上に立てて真剣で斜め上から斬るのです。
これが実は簡単ではないです。
わたくしも紙パック斬りに挑戦させていただいたが、切れるときは両断できるが、切れないときは飛ばしたり、切れても両断できない事がある。
巻き藁斬り
こちらは、畳表を巻いて縛り水につけて水分を含ませた試斬用に作った巻き藁を斬っているところ。わたくしがそれを斬っています!
初めての試斬にしてはわりと斬れている方だって。
この師匠は私と同い年です。もうかれこれ何年の付き合いであろうか、、、最初にお会いして30年くらいは経つと思う
日常的動作からかけ離れた異質な動き
今日、久しぶりに彼の居合い抜きを観ましたが、、すごい動きです。言葉で表現が難しいのだけど、ちょっと異質な動きです。
それはある種人間ばなれしているような異次元的な動作に見えます。
これを書いていて思い出したのは、その異質さは今年の初めに神楽坂の能楽堂で初めて観た狂言の野村萬斎の動きを彷彿とさせる
彼によると、居合いでは刀を抜く身体の中心部の一点にのみに意識を集中するのではなく、剣の先、柄の先、剣、鞘と分散して集中するのだそうだ。
技術と意識の関係性
また、試斬では意識の状態が技に出るという。
彼がはじめて試斬を始めた頃はスパスパ斬れたのだそうだ。それが斬る練習を積むほどに斬ってやろうという意識が働いて練習すればすれど斬れなくなった時期があるのだって。
今日実際にやってみて言われていることが判る気がします。上手く斬ってやろうとすると反対に斬れないことを体験したから。
つまり、技術と意識は結びついているわけですね。これはとても奥の深いことだと思います。
恐らく、これはあらゆる事でも同じで、このような芸事は元より、ビジネスや事業などもそうなのではないかと思います。
たとえば、ビジネスの決断も、必ず正しい判断なんて物はなくて、その決断をする際の意識レベルやその境地の高さの方が実は大切であると言う事と共通点を感じます。
また、確か野球のイチロー選手が、打てた打席でも何で打てたのか判らないのは駄目で、打てなかった打席であっても打てない理由が判っていればオーケーとしているなんていうエピソードを聞いたように思います。
真剣の試し斬りも、何で斬れているのか判っているか、判らないけど結果として斬れているかではかなり違う訳ですね。
今日はとても体験をさせていただきました。このご縁に感謝申し上げます。